詐欺・横領・背任の示談書
詐欺・横領・背任の示談書について
詐欺・横領・背任罪などの犯罪被害について示談をする場合、記載文言に注意が必要です。
被害届や刑事告訴をしない旨の示談が成立した以降だと、仮に示談金の支払をしてもらえなかったとしても、事後的に、警察当局に刑事告訴や被害届出の受理を拒まれる場合があります。
また、刑事告訴は、一度取り下げてしまうと、あとから再度行うことが出来ません。
よって、あくまでも全額を完済した場合のみ被害届出や刑事告訴をしない、という趣旨の定めにする必要があります。
事案の性質上、事件内容に関する一切の口外禁止、私的接触の禁止、などを定めておくのが一般的です。
署名捺印にあたって、相手に自宅住所を知られたくない、等の事情がある場合、自宅以外の個人を特定できる情報(電話番号・生年月日)を明記する等の方法をとることも良くあります。
示談書サンプル
示談書文例
※被害届出や刑事告訴をする前に示談をする場合の文例です。
示 談 書
●● ●●(以下、「甲」という)と■■ ■■(以下、「乙」という)は、本日、当事者間で以下のとおり、合意した。
第1条 | (原因事実の確認) |
乙は、甲に対し、欺く意思をもって甲を錯誤に陥らせ、令和●●年●●月●●日から令和●●年●●月●●日まで、計●回にわたり、財物の交付をさせた事実を認める。 |
|
第2条 | (謝罪) |
乙は、甲に対し、自らの行動により、甲を深く傷つけ、多大な経済的・精神的損害を生じさせたことを認め、甲に対して謝罪する。 |
|
第3条 | (示談金) |
乙は、甲に対し、前条に対する示談金として、金 万円の支払義務のあることを認め、以下のとおり、甲の指定する金融機関の預金口座へ振込送金の方法により支払う。
(1)返済方法 令和●●年●●月●●日限り、一括払い。
(2)指定口座 ●●銀行●●支店(普通)●●●●●●● 名義:●●●●●●●
(3)費用負担 支払に関する費用(振込手数料)については、乙が負担するものとする。
(4)領収書等 乙は、金融機関が発行する振込明細書をもって領収証の発行に代えるものとし、甲は、個別に領収書を発行しないものとする。
|
|
第4条 | (遅延損害金) |
乙が、第3条に定める示談金の支払を一部でも怠った場合には、乙は甲に対し、示談金(既払金がある場合には既払い金を除く残額)に対し、年14.6%の割合による遅延損害金を付加して支払う。
|
|
第5条 | (宥恕) |
甲は、乙が第3条に定める示談金を全額完済した場合には、乙の犯罪行為を宥恕し、乙に対する刑事処罰を望まないものとし、乙に対し、本件に関する被害届出や刑事告訴を行わないことを約束する。 |
|
第6条 | (誓約事項) |
(1) 甲及び乙は、本示談書に定める内容に関して、第三者に、口外、告知、開示、漏えい、および、当該内容を第三者が容易に想起し得るような言動をしないことを相互に約束する。
(2) 甲及び乙は、相互に、私生活または業務の平穏を害するような言動を行わないことを約束する。
(3) 乙は、甲に対し、電話・メール・SNS・手紙・訪問、その他、方法の如何を問わず、甲および甲の関係者に対して、一切の私的な接触を行わないこと、および偶然の事情で接近した場合には、直ちにその場から立ち去ることを約束する。
|
|
第7条 | (清算条項) |
甲と乙は、本件に関し、本示談書に定める他、裁判上・裁判外を問わず、何等の債権債務が存在しないことを相互に確認する。 |
以上、本件の示談の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名捺印の上、各1通宛を保有する。
令和●年●月●日
(甲) 住所 (省略)
氏名 印
(乙) 住所 (省略)
氏名 印
|
横領の場合の表記例:
第1条(原因事実の確認)
乙は、甲に対し、乙が甲から管理を任されていた財物につき、不法領得の意思をもって私的に横領した事実を認める。
|
|
|
示談書.net/目次
示談書・和解書について
男女関係の示談書
交通事故の示談書
その他の事故の示談書
製造物責任・工作物・営造物責任
労働問題の示談書
賃貸借
学校内
犯罪被害
事務所概要
事務所概要